

まだ大庄に4~5店舗しかなかった時期から、ずっと大庄人としてかかわり続ける石村に、大庄の本質をずばり伺った。
当時から「地元密着、地域密着、向こう三軒両隣」と言って、お客さまはもちろん、近隣の方や商店街の方のお仲間入りをさせていただくという地元に密着したやり方、それが大庄の原点。地域のお祭りや餅つき大会に参加したり、良い食材が入れば近所にお裾分けしたり、夜ご飯が残れば、焼きおにぎりにして交番に届けたり。顔と顔を付き合わせたお付き合いを続けてきたから、ここまで拡大できたと思っています。最初は社長が軽トラックで朝仕入れた魚をお店に運んでいたような、かなりアットホームな会社で、みんな同じ方向、同じ気持ちでした。いまは原点回帰のとき。当時のように地域に密着できるような人材が育ってから出店するという基本に戻っていきたい。
大庄のあるべき本質はいまも昔も変わらないと話す石村。地域に密着し、地域で生きていくスタイルが大庄の原点だと語ってくれた。その上で今後はどのような店を作っていきたいかを聞いた。
お店はいろんな人が集まって、いろんなお料理とお酒を楽しんで、いろんなことを語り合って仲良くなっていく場。我々のお店もそうだったし、そういう場を提供することが使命だと思っていました。日本のサラリーマンが元気な理由は、日本には居酒屋があるから。居酒屋で1日の仕事の疲れを癒し、明日への活力につなげる。みんなで集まって「明日も頑張ってね、気をつけてね!」って言葉を交わすのが日本の元気でした。そこに花を添えるのが我々のおいしいお料理であったり、お酒であったり、心のこもった接客サービスであったり。ほかのお店と競争することも大事だけど、人間の心の接点を作る場を提供したい。あのお店いいね、あの人いいねって言われる場所を作りたいですね。
まるで、古き良き日本の食卓を思い浮かべるように語る石村。経済の成長とともに、いつしか 日本は“個”の社会になってしまった。彼は最近30年前の居酒屋に戻ったような疑似体験をしたと言う。
いまは何をやるにしてもひとりで家に帰ってパソコンをしたりゲームをしたり、お店も個室が流行り、タッチパネルで注文できるようになり…。いつしか日本はそんな個の社会になってしまいましたが、また昔のように戻るのではないかと思っています。なぜなら、あの3月11日の震災以来、人とひととの絆とか、助け合いとかがいかに大切かをみんなが気づき出したわけですから。
被災地の悲惨な状況を目の当たりにして、いまの自分を幸せじゃないなんて言えない。株主さま、お客さま、近隣の皆さま、お取引先さま、会社、仲間、スタッフ、家族、わが社に関わるすべての方に「ありがとうございます」と言いたい。

チャレンジ精神旺盛で、様々な経験をいかして成長をしてきた大庄人。

- 55歳

- A型

- アコースティックギター
家族の絆が深まるのはもちろんですが、居酒屋でも知らない人同士が会話をしながらコミュニケーションをとり、情報交換をするようになると思います。と言うのも、まさにその様を今回東北の被災地で見たからです。僕は震災3日後には現地に入りました。夜遅く都市部に戻り食事をしに行くと、ボランティアで活動されている方やインフラの復旧に馳せ参じている知らない方同士が「今日はどこに行ったんですか?どんな状態だったんですか? 明日はこうしてあげたい。こうしよう」などと会話をしていて、それがものすごい活気で。そのとき、はっと30年前を思い出しました。「あ! お店って、こういう雰囲気だったよな。個じゃなかったよな。みんなで集まって飲んで食べて今日を反省して、明日を語って…というのが日本の元気だったな」と。だからもう一回、昔の元気だった日本に戻る、それを強く感じているところです。
震災をきっかけに、多くの日本人が人とひととのつながりや絆が大切だと気づき始めたことから、世の中は30年前と同じ“集団”の社会へと原点回帰するのではないかと考えている石村。そんな彼に、これから社会に先駆けて原点回帰をしようとしている大庄で一緒に働きたいと思う人に向けたメッセージをいただいた。
僕らが若い頃は店内で失敗することにも寛容で、社長から「自分の思いをぶつけて思いっきりやれ。責任は俺が取る」とメッセージをいただき、涙があふれ、身体中が震えるくらい燃え立つ感動を経験しました。だから、失敗を先に気にせずに挑戦できました。でもいまは、失敗しないように生きないといけないような世の中。失敗するのを嫌う人も多いと思う。いつも周りを気にして、人と話すときもこんなこと言って大丈夫かなって気にするくらいなら、ひとりでバーチャルの世界にいたほうが楽だって思ってしまうかも知れない。でもそればかりでは、心が疲れてしまうでしょ。人は失敗したときに、それをフォローしてくれる周りの人たちのありがたさが分かってこそ成長するものです。そもそもチャレンジからスタートした会社です。遠慮しないでチャレンジしてほしい。最初は何もできなくても、人はいくらでも変われます。失敗は恐れないで大丈夫。
遠慮しないで、たくさん失敗をすることで成長してほしいと語る石村。自分の可能性に挑戦したい人にとってはうれしい言葉ではないだろうか。最後に、大庄の取り組みについて聞いた。
大庄では厳しい大庄独自の安全基準をクリアした全国の野菜や魚を仕入れて出荷しています。鮮度をキープしたいから、夜競りした商品を朝集荷して、お店には昼届ける。野菜はカット野菜ではなく、生のままのみずみずしい野菜を届けて、お店でカットしてもらう。お店の要望に応えるため品目も多く、またリードタイムも短いため、大変手間がかかる仕組みです。しかし、お客さまに鮮度の良い食材を届けることと、食べ物の安心安全には責任があると思っています。コストカットを優先しない方針は、いまの時代珍しいかもしれない。ですが、これだけ商品を大切に仕入れて届けていることが分かれば、スタッフみんなが商品に惚れるでしょう。そして、美味しい食材であることに誇りを持ってお客さまに提供してくれたらうれしいですね。


















