

旅行が好きでバイクが好き。そんな清水は将来旅行会社に入社することを視野に入れて、大学に進学した。しかし、卒業後は大庄に入社する道を選ぶ。
大学を卒業したら専門学校に進んで旅行会社に必要な資格を取ろうと思っていたから、就職活動をする気はありませんでした。ショットバーのアルバイトで店から大きな信頼を得るほどになっていたこともあって、多少有頂天になっていました。だけど、つき合っていた彼女から「世の中なめてるでしょ」と言われたことで火がついて、就職活動をすることにしたんです。まあ、就職なんてのは「カンタン、カンタン」って考えていてね。でもそのときは就職の超氷河期。募集していない企業にも片っ端から受けに行ったけど、ことごとく落ちましたね。何十社もですよ。そんなときに企業の合同説明会で出会ったのが大庄。人事担当者のインパクトがこれまた強くてね。「なんだこの会社!」って驚きました。すごく人を引きつけるオーラが出ていて、ついつい引きこまれてしまったんです(笑)
就職氷河期であった2000年。専門学校へ進むのではなく厳しい就職活動を突破し、大庄に入社する道を選んだ清水。彼は入社式でいきなり事件を起こしてしまう。
アルバイト時代の経験から「飲食店に髪型や見てくれは関係ない、むしろインパクトがある方がイイ」って勝手に思ってたから、入社式は「金髪&ロン毛」で行きました。いま考えれば当たり前に理解できますが、当時はいきなり専務から「ゴチン!」とゲンコツを落とされて、髪を切れって言われたのが納得できなかった。みんな頭ごなしに怒るだけで、何が悪いか教えてくれなかったんです。でも、当時のブロック長だけは最初から怒ったりせずに、何が悪いのかをちゃんと説明してくれました。休みの日にお店に呼ばれて、「何でその格好が悪いか分かるか?」って。「お客さまはキミのこと知らないよね、知らない人が初めて見るのは外見でしょ? その格好であなたが笑顔で出迎えても通じないよね。何でか分かる?」って語りかけてくるんです。「それはあなたが壁を作っているからでしょ」って言わたとき初めて「あぁ、そうか、自分で壁を作っていたんだ」って気づかされましたね。奇抜な見てくれは出会った人を警戒させてしまうんだって。すごく納得できて反省したから、その日のうちにバッサリ髪を切り落としました。
まだまだ僕は未熟です。これからも人を育ててお客さまの満足につなげる努力をしたいと思っています。それから、プライベートでも自分のやりたいことを実現させるためのお金と時間を作りたい。仕事もプライベートも両方できたら100%です。
第一印象でいきなり叱るのではなく、納得できる答えをくれたブロック長の存在は大きい。旅行会社にまだ未練があった清水は、この時まだ方向転換しようかと悩んでいた。心から尊敬できるブロック長と出会ってからは、大庄で続けていくことを心に決め、後にスーパー店長として大きな功績を残すまでに成長する。何の苦労もなく順調に歩み続けていたわけではない。入社から5カ月後、初めて店長として働くことになった初日の朝に、大きな失敗をしてしまう。
緊張のあまり夜寝れなくて、初日に遅刻してしまったんです。そしたら当然、「遅刻する若くて何もできない店長」というイメージがつくじゃないですか。だから最初の1カ月はそれを払拭しようと大変でした。朝は誰より早く来て働き、言葉使いに気をつけて、人の意見を聞く姿勢を大切にして。真剣に一所懸命に働き、スタッフに認めてもらえるようにと努力しましたね。その経験もあって、後輩たちには不器用で失敗してもいいから一所懸命やれって言っています。失敗は僕がフォローすればいいですから。でも、聞く姿勢が悪くて仕事に心が入っていなかったら、いくら仕事の処理速度が速かったとしても叱ります。叱っても相手がよく理解していなかったら、日を改めたり場所を変えたりして納得してもらえるまで根気よく伝えますね。
店長初日に自ら最悪な印象を植えつけてしまった清水。そこから逃げ出すことなく、ひたむきに努力を続けることによって1カ月後には全てのスタッフを味方につけることができた。自分が納得するだけでなく、相手も納得してもらった上で働いてほしいと考える。スタッフ一人ひとりと真剣に向き合い、一緒になって考えることで結果的に店舗の充実を図ろうとしている。
理解して納得しないと良い仕事はできません。そうでないと、接客もその場しのぎなものになってしまいますから。私個人にしてもそうですが、いまは、たくさんのスタッフを抱える立場なので、ムダな行動はしたくない、させたくないという思いが強くあります。積もり積もればたくさんのムダになりますから。まずは自分がきちんと納得する、それからしっかり相手に伝えることを日々心がけています。
スタッフを束ねる立場として効率とクオリティの両立を目指す清水。最後に今後の課題と目標を聞いた。
自分の問題点は、細かいことまでアツく語りすぎてしまうこと。人を育てたい一心で、ドリンクの作り方からテーブルに置いてある醤油の位置の意味まで細かく説明してしまうんです。最近はみんなに「やりすぎだよ」と止められますけどね(笑) それから目標は、八重洲店を10年後も20年後も、ずっと同じ場所で商いをさせてもらえるお店にすること。そのためにも人を増やし、一人ひとりが納得して働き、成長していけるような環境を早く作りたいと思っています。



















