「倹約遺伝子」というエネルギーの消費量を抑える働きをもった遺伝子があります。食べ物があまりなくても、カロリーを節約し、より多くの脂肪を蓄える役割を果たしているのです。日本人の場合3人に1人は、この「倹約遺伝子」を持っているそうで、これは欧米人の2~3倍に当たります。そのため日本人は「やせにくい体質」なのだそうです。

いま日本は飽食の時代。街を見渡して、恰幅の良い人が昔に比べて増えたと思いませんか?

カロリーの高い欧米の料理に接する機会が多くなるにつれ、「倹約遺伝子」の効果もあって日本人の肥満は増えています。もちろん生活習慣にも大きく関係しています。仕事で家に帰るのが夜遅くなってしまうと、食べたり食べなかったり、遅い時間に食事をしたり、仕事のストレスで間食をたくさんとってしまったり。そして大人だけでなく、確実に子どもにも肥満は増えています。

大人と一緒に食事をする機会が減り「正しい食事」ができなくなったことも、子どもの肥満の原因のひとつにあげられます。たとえば良く噛むことや、好き嫌いをせずバランス良く食事をするなどを、昔は親だけでなく、おじいさんやおばあさんが口を酸っぱくして言い聞かせてくれました。特に良く噛むことは大切です。実は、噛むための歯はどのようなバランスで食事をすべきなのかを表しています。ちょっと長くなってしまいましたので、このお話についてはまた次回。